あっという間に10月です。
朝晩の過ごしやすさが、肌寒さへ、そして冷え込みへの変わり、冬へと突入するのでしょうか?
と、その前に、食欲の秋を楽しみたい福岡の女性税理士・社労士の滝口綾子です。
松茸、秋刀魚、栗、先日は頂き物の葡萄を意識なく一房完食するのを、理性で止めるのが辛く感じられるほどに。。。でした。
労働時間管理、安全・健康管理のルールの明確化
9/1、複数就業者に対する改正労災保険法の施行に合わせて、
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定されました。
改定ということで、これまでも、働き方改革の一旦として、
副業・兼業の促進に関するガイドラインはありました。
コロナ禍でテレワークが普及する中、副業・兼業を行う方も増え、
少しずつ世の中にも浸透しつつあったかもしれません。
改定では、
使用者側で最もネックとなっていた、
● 労働時間の通算管理
副業・兼業を行う場合の労働者及び使用者が負う、
● 安全配慮義務
● 秘密保持義務
● 競合避止義務
● 誠実義務
について説明の追加され、明確化されました。
特に、労働時間の通算管理については、
「企業の負担に配慮した管理モデル」
簡便的な時間管理方法が示されました。
長時間労働や健康被害を防ぐため、労働者から自己申告を受ける事項、
各々の使用者と労働者が合意しておくべき事項も示されました。
副業・兼業に関する就業規則等における規定の整備、
届出等の書式の整備も必要です。
その届出に基づく副業・兼業と本業とを管理する体制も構築しなければなりません。
副業・兼業だけでなく、テレワークやリモートワーク、
雇用契約から業務委託契約へなど。。
様々な働き方が浸透していく中で、企業内部だけでなく法的整備も不可欠となってきますね(-_-;)
副業・兼業と確定申告
副業・兼業とは。。と問われれば、
いろんな回答が返ってくるかと思います。
複数の事業と書いて、「複業」と表記される場合もあったり。
さて、税金のお話ではどうでしょうか?
① サラリーマンが、終業後、別の会社に勤務するとき。
各々が雇用契約であれば、年末には源泉徴収票を2枚頂くことになるでしょう。
⇒ 給与の額の関わらず、必ず確定申告が必要です。
「2か所給与」と呼ばれている場合です。
② では、同じくサラリーマンが、終業後、業務委託契約でお仕事を請け負っていたら?
⇒ サラリーマンとしては「給与所得」
業務委託は「雑所得」として、確定申告が必要です。
ただし、
★ メインの給与で年末調整が行われていること!
★ 業務委託の所得=利益が20万円以下の場合は申告不要ですが、住民税の申告は必要です。
ここで、業務委託について。
「雑所得」vs「事業所得」という問題もあります。
本来所得税はその所得の種類により区分します。
「雑所得」とは他の所得区分のいずれにも該当しない場合ということもできます。
では、「事業所得」となるか否かで実際に問題となる点、
☆ 営利性・有償性・継続性・反復性があるか
☆ 自己の危険と計算において独立して行う業務か
☆ 職業・経験など社会的地位が客観的に認められているか
などが総合的な判断材料となります。
「雑所得」よりも「事業所得」の方が税務的メリットも多い分、
慎重にご判断ください。
余談ですが、
実際に税務調査で、これが争点となったこともあります。(経験)
コロナの持続化給付金の申請者要件では、この点が更に細かく表記されていたのは、
・ メインの収入?
・ 生活の糧?
・ 反復性・継続性
についてです。
兼業・副業をされる場合も、
個人的には確定申告は毎年されることをおススメします。
コロナ禍で、改めて感じるのは、特例ではなく、原則で動いていた方が、最終的には手間が省けるなということ。
良かれと思ってあの手この手で試行錯誤するより、当たり前のことを面倒くさがらず素直にやるように心掛けております今日この頃です。。