福岡の税理士・社会保険労務士の滝口綾子です。
9月になりました!
来週には勢力最大級の台風が訪れる予定とか。
秋なんですね。
まだまだ日中は暑いんですけれども。
今朝のご近所の風景です。

所得税基本通達案~

さて、現時点では、「案」「適用予定」です。

何の改正なのか?
その他・業務に係る雑所得の範囲の明確化

皆様の中でピンと来られている方もいらっしゃるかと思います。

確定申告書の雑所得区分が、
・ 公的年金等
・ 公的年金等以外
の2区分から、
・ 公的年金等
・ 業務
・ その他
の3区分に変わったのはお気づきだったでしょうか?
令和2年分からの申告書Bの書式の変更でした。

雑所得とは、他の所得に該当しない所得です。
ですので、その範囲や所得区分については以前よりあいまいで、明確化されていませんでした。

新型コロナウィルスの影響、働き方改革の影響、副業解禁の影響、一部コンサルによるグレースキームの影響も相まって、

国税庁曰く、
~シェアリングエコノミー等の「新分野の経済活動に係る所得」や「副業に係る所得」について、適正申告をしていただくための環境づくりのため~
だそうです。

ざっくり乱暴に言うと、

【1】メルカリやラクマやヤフオクなどで、生活動産を販売した場合、暗号資産の譲渡などは雑所得になりますよ~

【2】主たる収入が別にある人が行う=いわゆる副業年間収入が300万円以下の場合は雑所得になりますよ~

となります。

改正の影響と留意点

【1】については、
そうはいっても、私用な不用品を売ってるとそんなに利益ってでる?でない?
従前とおり、副業のボーダーライン「所得が20万円以下は申告不要」です。
ほとんどの方はご安心ください。

問題はですね、【2】です!
副業雑所得じゃなくて事業所得として申告してられる方!です。

◆ 青色申告特別控除(max65万円控除)
収入ー経費=利益からの特別控除

◆ 損益通算
その年の事業所得が赤字の時、給与所得等と相殺申告

◆ 純損失の繰越控除(max3年)
上の損益通算してもしききれなかった赤字(損失)を翌年に繰越せる

など、これらが使えなくなります!

弊所の顧問先にはいらっしゃいませんが、
副業で大赤字を出して、給与所得と相殺して、所得税の還付を受け、住民税を少なくするような申告書を見ると、
職業柄、正直もやもや~もやもや~するものです。

このような申告をされる方が、コロナの持続化給付金やらなんやら恩恵を受けておられたとか、聞くこともしばしば。

個人的には少しスッキリした感はありますが、いかがでしょうか?

この改正(案)は、特別の『反証』がない限りの上記の原則的な取扱いです。

なお、改正(案)が改正となると、令和4年(2022年)の申告分から適用となります。

どうぞご留意くださいませ。

2022.10.28更新~改正案が修正されました(次記事)